mpolrpolarです。
回転軸の構造に困っていてしばらく放置していた足回りの開閉式カバーの設計が終わりました。
今回は色々紹介できるところが多いので、画像が多めの記事になります。
Twitterにも上げていますが、Inventorで設計する以外にも3Dプリンターでパーツを試作して強度試験をしたりして時間がかかってしまいましたが、結果的にこんな感じに仕上がりました。
これはMavericksさんの機体に乗っているものを参考にしているので、かなり構造が似ています。ただ旋盤を使えないなど設備の制約もあって所々変わっているかと思います。
回転軸の構造に困っていてしばらく放置していた足回りの開閉式カバーの設計が終わりました。
今回は色々紹介できるところが多いので、画像が多めの記事になります。
Twitterにも上げていますが、Inventorで設計する以外にも3Dプリンターでパーツを試作して強度試験をしたりして時間がかかってしまいましたが、結果的にこんな感じに仕上がりました。
これはMavericksさんの機体に乗っているものを参考にしているので、かなり構造が似ています。ただ旋盤を使えないなど設備の制約もあって所々変わっているかと思います。
機体に取り付けるとこんな感じになります
この開閉式カバーは機体内部を物理的外乱からある程度保護するという目的もありますが、こんな風にバッテリーボックスの収納スペースの蓋という機能も持っています。
また、1枚目の画像の左にちょっぴり見えるジュラルミンの突起はこんな風にオムニガードを固定しているスペーサーに引っかかって、カバーが開く方向の動きを制限しています。(選択されて青くなっているのがスペーサーです)
画像を見ればわかる通りカバー本体の黒い部品にも突起がついていて、その部分と取手の突起がスペーサーを掴んでカバーが固定される仕組みになっています。
また、カバーの取手を引くとジュラルミンの突起が外れてカバーが開きます
実際どのような動きになるのかは次の動画を見てもらえればすぐにわかると思います。(これはHurricane機の開閉式カバーの参考元になった動画です)
基本的な構造はこれとほぼおなじですが、回転軸周りなど若干相違点があります。それも踏まえて構造に関するところの説明に入ります。
まず開閉式カバーのメインパーツです。
これは内側から見た図です。手前に飛び出ている部分はバッテリーの抑えになっている他、カバーの剛性を稼いだり強度補完用(ついでにバネ固定用)のスペーサーのマウント部分にもなっています。
こんなふうに両方に柱がついているものを3Dプリンタで試作して強度試験をしたりしていました。横向きの力に対してはかなりの強度がありましたが、縦向きの力はやはり両端の柱だけでは足りないのがよく分かりました。
すでに軽く言及しましたが、このパーツは3Dプリンタで制作するのですべて樹脂(ここではABS)です。あまり負荷がかからないとはいえ、剛性をもうちょっと稼ぐ努力(例えば柱の付け根にフィレットをつけるなど)をしたほうがいいかなという感じでした。
ちなみに、このパーツの柱の上下についた突起(φ3 x 1.5)を車体の板に同じ大きさの穴を開けて、そこにはめることでその部分を回転軸にしています。(選択されて青くなっている部分がカバーです)
回転軸の強度試験はまだ出来ていないので若干不安ではあります。仮に駄目ならφ3-4のピンを圧入すると言った形で突起を出すことになりそうです。
Mavericks機の回転軸はスペーサーの一部をφ5に削って、そこにカバー本体をはめ込むという形の回転軸になっているそうです。ただスペーサーを削るには旋盤が必要で、Hurricaneが使える設備には旋盤が無いので、結果的にこのような形になりました。
カバー本体の回転軸のついでにカバーの取手の回転軸にも触れておきます。
ここが取手の回転軸付近です。実は中にこんなピンが入っています。
カバーのメインパーツは片方にしか柱がなく、取手の回転軸側は簡単に広げることができるのでそこに開いているφ3 x 2の穴にピンをはめ込んでいます。
次にバネの固定部分です。と言っても引張バネを引っ掛けるだけです。
ここは後で載せる画像にもありますが、スペーサー2個の間に厚さ0.5mmの輪っかを挟んでスペーサー部分にとっかかりを作っています。完全にバネを固定することはできないですが、自然長から適当に伸ばした状態で取り付けるので、おそらく問題ないかと思います。
カバーの部品をすべてバラバラにした状態を載せておきます。
この画像から、カバーにどんな部品が使われていて、それらがどんなふうに固定されているのかが何となく読み取れると思います。若干部品点数が多いですが、構造は単純なので組み付けにおいてはあまり苦労は無さそうです。
余談ですが、Hurricaneの機体を設計する上で見た目をかなり重視しているので、スペーサーも黒アルマイトの円筒形を使っています。(その代わりお金がかかってしまいます)黒を基調としたデザインを目指しているのでスペーサーも外から見えるものについては黒アルマイトのものを使うことになるかもしれないです。
ロマンの対価としては黒アルマイトのスペーサー代は安い。
また、それとは関係ないですが、Inventorで機体設計する上ではネジやスペーサーもCADデータを自分で作るようにしています。そうすることで、ネジやスペーサーの寸法を把握して機体設計に役立てられるだけでなく、どの部分にどこが作ったどんな部品(ネジやスペーサー)を使うかを明確にしておけるというメリットがあります。(もしかしたらもっと賢い方法があるかもしれない)
また、このように材質やネジ山の形も忠実にコピーすることで、実際の機体がどういう見た目になるのかがよくわかります。
ネジ関連でもう一つ。今回カバーに使ったネジは、「ナベ小ネジ(ネジの画像2枚目)」の他に「極低頭六角穴付きボルト(ネジの画像1枚目)」というものを、主に取手の部分のように、頭を埋め込む必要がある部分に使っています。
ナベ小ネジの頭は高さが2mmですが極低頭六角穴付きボルトは頭の高さが1.5mmなので、3mmの板にネジの頭を埋め込むなら極低頭のほうが望ましいです。単価は高いですが、設計の幅を大いに広げてくれるので、使うかどうかは検討する価値はあると思います。
また、六角穴付きボルトは六角レンチで締めるので、ドライバーを使うよりも高トルクでネジを締められる利点があります。一度固定したらあまり外さないような部分に最適なのではないかと思います。
今回の記事はこれで一旦終わりにしておきます。
黒色の部品を使っているところが多くて若干詳細が見えにくい部分があるかと思うので、コメント欄なりTwitterなりに要望を出してもらえれば見やすい形で画像を再掲します。
その他にも、ご指摘やご質問などもコメント欄やTwitterで受け付けています。
この開閉式カバーは機体内部を物理的外乱からある程度保護するという目的もありますが、こんな風にバッテリーボックスの収納スペースの蓋という機能も持っています。
また、1枚目の画像の左にちょっぴり見えるジュラルミンの突起はこんな風にオムニガードを固定しているスペーサーに引っかかって、カバーが開く方向の動きを制限しています。(選択されて青くなっているのがスペーサーです)
画像を見ればわかる通りカバー本体の黒い部品にも突起がついていて、その部分と取手の突起がスペーサーを掴んでカバーが固定される仕組みになっています。
また、カバーの取手を引くとジュラルミンの突起が外れてカバーが開きます
実際どのような動きになるのかは次の動画を見てもらえればすぐにわかると思います。(これはHurricane機の開閉式カバーの参考元になった動画です)
TADA:Yunit Mavericks@yxtada取手を引くとロックが外れてカバーが開き、取手を引いた状態で戻し、取手を離すとバネに引っ張られて取手が元の位置に戻り、カバーが再びロックされる一連の流れがわかるかと思います。(Hurricane機用のカバーにもバネをつける部分は用意してあるので後ほど紹介します)カバー開閉の試作 https://t.co/pI4AhRxJhC
2016/11/26 00:26:01
基本的な構造はこれとほぼおなじですが、回転軸周りなど若干相違点があります。それも踏まえて構造に関するところの説明に入ります。
まず開閉式カバーのメインパーツです。
これは内側から見た図です。手前に飛び出ている部分はバッテリーの抑えになっている他、カバーの剛性を稼いだり強度補完用(ついでにバネ固定用)のスペーサーのマウント部分にもなっています。
こんなふうに両方に柱がついているものを3Dプリンタで試作して強度試験をしたりしていました。横向きの力に対してはかなりの強度がありましたが、縦向きの力はやはり両端の柱だけでは足りないのがよく分かりました。
すでに軽く言及しましたが、このパーツは3Dプリンタで制作するのですべて樹脂(ここではABS)です。あまり負荷がかからないとはいえ、剛性をもうちょっと稼ぐ努力(例えば柱の付け根にフィレットをつけるなど)をしたほうがいいかなという感じでした。
ちなみに、このパーツの柱の上下についた突起(φ3 x 1.5)を車体の板に同じ大きさの穴を開けて、そこにはめることでその部分を回転軸にしています。(選択されて青くなっている部分がカバーです)
回転軸の強度試験はまだ出来ていないので若干不安ではあります。仮に駄目ならφ3-4のピンを圧入すると言った形で突起を出すことになりそうです。
Mavericks機の回転軸はスペーサーの一部をφ5に削って、そこにカバー本体をはめ込むという形の回転軸になっているそうです。ただスペーサーを削るには旋盤が必要で、Hurricaneが使える設備には旋盤が無いので、結果的にこのような形になりました。
カバー本体の回転軸のついでにカバーの取手の回転軸にも触れておきます。
ここが取手の回転軸付近です。実は中にこんなピンが入っています。
カバーのメインパーツは片方にしか柱がなく、取手の回転軸側は簡単に広げることができるのでそこに開いているφ3 x 2の穴にピンをはめ込んでいます。
次にバネの固定部分です。と言っても引張バネを引っ掛けるだけです。
ここは後で載せる画像にもありますが、スペーサー2個の間に厚さ0.5mmの輪っかを挟んでスペーサー部分にとっかかりを作っています。完全にバネを固定することはできないですが、自然長から適当に伸ばした状態で取り付けるので、おそらく問題ないかと思います。
カバーの部品をすべてバラバラにした状態を載せておきます。
この画像から、カバーにどんな部品が使われていて、それらがどんなふうに固定されているのかが何となく読み取れると思います。若干部品点数が多いですが、構造は単純なので組み付けにおいてはあまり苦労は無さそうです。
余談ですが、Hurricaneの機体を設計する上で見た目をかなり重視しているので、スペーサーも黒アルマイトの円筒形を使っています。(その代わりお金がかかってしまいます)黒を基調としたデザインを目指しているのでスペーサーも外から見えるものについては黒アルマイトのものを使うことになるかもしれないです。
また、それとは関係ないですが、Inventorで機体設計する上ではネジやスペーサーもCADデータを自分で作るようにしています。そうすることで、ネジやスペーサーの寸法を把握して機体設計に役立てられるだけでなく、どの部分にどこが作ったどんな部品(ネジやスペーサー)を使うかを明確にしておけるというメリットがあります。(もしかしたらもっと賢い方法があるかもしれない)
また、このように材質やネジ山の形も忠実にコピーすることで、実際の機体がどういう見た目になるのかがよくわかります。
ネジ関連でもう一つ。今回カバーに使ったネジは、「ナベ小ネジ(ネジの画像2枚目)」の他に「極低頭六角穴付きボルト(ネジの画像1枚目)」というものを、主に取手の部分のように、頭を埋め込む必要がある部分に使っています。
ナベ小ネジの頭は高さが2mmですが極低頭六角穴付きボルトは頭の高さが1.5mmなので、3mmの板にネジの頭を埋め込むなら極低頭のほうが望ましいです。単価は高いですが、設計の幅を大いに広げてくれるので、使うかどうかは検討する価値はあると思います。
また、六角穴付きボルトは六角レンチで締めるので、ドライバーを使うよりも高トルクでネジを締められる利点があります。一度固定したらあまり外さないような部分に最適なのではないかと思います。
今回の記事はこれで一旦終わりにしておきます。
黒色の部品を使っているところが多くて若干詳細が見えにくい部分があるかと思うので、コメント欄なりTwitterなりに要望を出してもらえれば見やすい形で画像を再掲します。
その他にも、ご指摘やご質問などもコメント欄やTwitterで受け付けています。