mpolrpolarです。
先日のTADAさんの宣伝のお陰で当ブログがRCJ界隈の人々に知られるようになってきているようなので、Hurricane機の設計思想に関して少しお話しようかと思います。

まず、個人的に機体設計において意識している主な点は以下の3つです。
①配線や基板、動的部分は機体の外から見えないようにする
②メンテナンス性を確保する
③絶縁や部品の保護は徹底する


①に関しては見た目の問題もありますが、RCJサッカーのような物理的な外乱が多い競技では、配線や基板が露出していることが原因の事故が発生する可能性が十分にあります。また動的部分に関しては、過去にジャパンオープンで、露出しているドリブラのギヤに巻き込まれて指を大怪我したという事例があったと聞いております。これらのことを踏まえて、見た目の問題も含めて安全面でも、①のことを意識する必要性があると考えています。

②に関しては以前から意識し始めたことです。実はHurricaneのチームメンバーのうちmpolrpolarとEaterは過去にレスキューラインに出場していました(ブロック止まりでしたが)。そのときにメンテナンス性の悪さがどれだけ作業に支障をきたすのかということを見に染みて感じていたので、このことは強く意識しています。
これに関係して、今回の機体設計において個人的に「バッテリ交換は10秒以内に完了できる」ということを目標としています。
過去にバッテリ交換がし難い機体でとてもストレスを溜めた経験があるのも1つの理由ですが、最大の理由は「メンテナンスの中で最も頻度が高いものがバッテリ交換である」ということです。今回使うバッテリはスペースの問題と京滋奈ブロックのローカルルールの関係で近藤科学さんの「ROBOパワーセル F2-850タイプ」という2cell 850mAhのLiFePO4を使おうと考えており、恐らく毎試合か毎ハーフごとにバッテリを交換することになると予想されます。
他にも、ネジの本数を減らしたりしてメンテナンスにかかる労力を可能な限り減らしていこうと考えています。

③は実例として先日記事にまとめたラインセンサが挙げられます。
あのラインセンサは基板自体にネジ穴を設けるのではなく、樹脂の固定具で機体に取り付けるという方法で固定します。これによって、最低限のネジの本数で固定と絶縁の両方を実現できます。
これは①と通じることでもありますが、プリント基板を生基板から自作するチームの中にはパターンをむき出しにして実装しているところも見られます。おそらく直ちに問題が発生するというわけではないのでしょうが、RCJサッカーが非常に動的な競技であるということと、そもそも絶縁がされていないプリント基板はふさわしくないということからも、最低限の処理はしておくべきと考えています。
また、リチウムイオン電池が規制されてしまっているので、保護回路や緩衝材入りのバッテリボックスによって電気的にも物理的にもバッテリを保護します。バッテリボックスはメンテナンス性向上にも貢献してくれるので一石二鳥です。


長々と文字だけ書き連ねましたが、これが今回の設計思想の基本となっています。今後もこれを意識して設計していこうと思っています。